司法書士の難易度

司法書士の難易度

 

司法書士試験の難易度は合格率など客観的なデータから、また合格してからの経験的にも非常に難易度の高い資格試験だと思います。

 

実際、司法書士試験の合格者で「楽に合格できた」という人はまずいません。

 

とはいえ、単に「司法書士試験は難関資格だ」と言ってみても、合格に役立つ情報とはなりませんので、本記事では司法書士の難易度の実際を具体的に見ていきたいと思います。

 

 

統計データからみる司法書士の難易度

 

司法書士の合格率

まず、法務省のデータを参考に司法書士試験の受験者数、合格者数、合格率などを見ていきたいと思います。

 

年度 出願者 受験者 合格者 合格率
平成20年 33,007 27,102 931人 3.44%
平成21年 32,558 26,774 921人 3.44%
平成22年 33,166 26,958 948人 3.52%
平成23年 31,228 25,696 879人 3.42%
平成24年 29,379 24,048 838人 3.48%
平成25年 27,400 22,494 796人 3.54%
平成26年 24,538 20,130 759人 3.77%
平成27年 21,754 17,920 707人 3.95%
平成28年 20,360 16,725 660人 3.95%
平成29年 18,831 15,440 629人 4.07%
平成30年 17,668 14,387 621人 4.31%

※受験者数:実際に試験を受験された方の人数。出願されても受験をされない方もいるので、出願者数―受験をされなかった人数=実受験者数です

出典:法務省:司法書士試験

 

 

司法書士試験の合格率は微増しています。イメージとして100人中、4人程度が合格できる難易度です。

 

受験者が多かった平成20年頃は合格率が3%前半でした。学校にたとえるなら、「そこそこの進学校で学年トップ3しか受からない。4位の人は不合格」と言われていました。

 

現在では、合格率は微増しているものの「学年4位」までがギリギリ合格できるレベルになりましたが、依然として司法書士試験の難易度は非常に高い傾向にあります。

 

 

難易度が高いからこそ取得する価値がある。という見方もできますよね。


 

 

司法書士の受験者数は減少傾向

上の表からもお分かりいただけますように、近年は受験生が減少傾向にあります。

 

一時期(平成25年ころ)弁護士・司法書士といった法律系難関資格の「就職難」が雑誌で取りざたされました。その頃のインパクトが強いせいもあり、司法書士試験の資格の魅力が薄れている感はあります。

 

しかし、現在の求人状況などを見ますと、(弁護士さんもそうですが)司法書士は大変な売り手市場に回復しつつあります。

 

少なくとも司法書士試験に合格して、東京など都心部で就職できないということはまず考えられません。

 

地方でも、僅かな修行期間を経て(あるいは1ヶ月半の事務所研修(配属研修)のみで)独立する司法書士も数多くいます。

 

 

「登記」という仕事はなくなりませんからね。


 

受験生が減少している分、合格者も少なくなっていきますが、逆に合格後は大変有利に仕事をすることができるということになります。どうぞ希望を持って司法書士を目指されてください。

 

 

 

受験者層からみる司法書士の難易度

受験者数や合格率だけで司法書士の難易度を把握することはできません。どういう人が受験しているのかによって、資格の難易度が大きく違ってくるからです。

 

では、司法書士試験を受験するのはどういった人が多いのでしょうか。

 

難関資格ですからやはり偏差値の高い大卒が多いのでしょうか、それとも学歴は関係ないのでしょうか。また、莫大な知識を覚えなければならないから、20代などいわゆる若手でなくては合格できないのでしょうか。

 

司法書士試験の受験を検討されている方にとっては、受験者層も気になるところではないかと思われます。

 

 

ここからは、実際に司法書士試験を受験したからこそわかる、司法書士の実際の難易度について紹介します。


 

ある程度、私の個人的な経験も加味させていただき、どういった方が受験しているかという受験者層を紹介していきたいと思います。

 

 

司法試験不合格で司法書士試験を受験する人も多い

まず気になるのが、学歴はどうかということではないかと思われます。この点につきましては、司法書士試験は誰でも受験が可能という制度になっているため、学歴についての公式データはありません。

 

そのため、個人的に合格体験記を読んだり、研修等で軽く話題となる程度で見知った情報ではありますが、やはり割合としては偏差値60以上の難関大学出身の方が多いです。

 

中には、司法試験の受験資格を得るために修了しなければならない大学院(ロースクール)修了後に残念ながら司法試験に合格できなかったということから、司法書士試験に転向されてくる方も少なくありません。

 

法科大学院修了後5回以内で司法試験に合格できない場合には受験資格を喪失することとなっています

 

司法試験に合格できなかった人だから頭が悪い...と考えがちですが違います。

 

司法試験に向けて死ぬほど勉強してきた方なので、司法試験に落ちたといえども相当な法律知識を持った方が受験しているということです。

 

ただ、もちろん高校卒業や高校中退などの合格者の方もしっかりとおり、しかも1回で合格されているという方もいます。

 

 

私個人の感覚ですが、「早い遅いはあっても、コツコツと勉強を続けられる方は合格し、そうでない方はなかなか合格できない。その意味で学歴は関係ない」というのが実感です。

 

 

学歴は関係はないものの、人生の一期間をかけて本気で取り組まれることが合格の絶対条件です。かなり難しい試験ですから


 

 

30~40代の合格者が多い

次に年齢ですが、実は司法書士試験は毎年、30代から40代の合格者の割合が6割以上を占めています。

 

司法書士試験は日本一暗記量が多い試験と言われ、暗記は若い方のほうが有利に思われますが、必ずしもそうではありません。

 

司法書士試験で問われる知識は、社会生活の知識が前提となっているので人生経験があったほうが理解しやすい面が多いのです。

 

そのため、司法書士は社会の法律的な仕組みが理解しやすくなる30代以降の合格者が多い傾向です。

 

もちろん、20代、あるいは50代以上の合格者もいますので、司法書士試験は、年齢はあまり関係がない(ただ、現象として30代~40代が多いだけ)であると言えます。

 

多くの方が合格まで5年程度かかるので、20代30代から受験を始めても合格するときに30代40代になってしまうということもあろうかと推察できます

 

繰り返しになりますが、司法書士試験は人生の一期間に本気で受験に取り組まれるということが大事であり、年齢は関係が薄いといえます。

 

 

司法書士の本当の難易度

やや独断と偏見も入りますが、短期合格者や独学合格者について、個人的に見てきた経験から司法書士の本当の難易度を紹介します。

 

 

1~2年で司法書士に合格する人の割合

いわゆる短期合格者です。1年以内の学習で司法書士試験に合格するという方は、学歴に関係なく存在しています。

 

ただ、割合的には圧倒的に少なく、合格者が約600人とした場合、1割以下(60人程度)ではないかと感じます。

 

 

研修で話していると、稀に受験回数1~2回での合格者に出会いますが、かなり少ないです。数十人に一人程度でしょうか。


 

1~2年の勉強で司法書士試験に合格されている方は、法律知識は決して多くはありませんが、学習努力と頭の回転の速さが並大抵ではない面があります。

 

例えば、「〇〇という部分がまったくわからなかったので、仕方がないから、その部分の六法とテキストを全部覚えた。」など驚異的な努力と記憶力などを持たれている方が多い感じはあります。(一種の天才肌です)

 

私個人の主観になりますが、、司法書士試験の勉強をはじめて5年以内に合格されている方は、年齢を問わず、相当頭の回転が早いという印象です。

 

資格学校では短期合格を目指せると紹介されていますが、私の知る限りでは司法書士試験合格までに5~10年程度かかる方が最も多いと思います。

 

 

最後は「運」となる

司法書士試験は合格者数を極端に絞っているため、最後は実力よりも「運」という要素が入ってくると考えてます。

 

司法書士試験は、一定の合格レベルになると実力差がほとんどありません。

 

実際、「試験日の1週間後にもう一回試験をしたら合格者の半分が入れ替わる」とよく言われているのです。400位~800位程度に実力差はほとんどないのです。

 

司法書士試験は合格者を絞っているため、上位100~200人以外は、自分と相性のいい問題が出題された年に合格するのです。

 

最後は「運」というと身もフタもない話となりますが、この合格が運になるレベルに達するまでが莫大な努力が必要であること、そして「運が味方してくれる時まで諦めない」という精神力も必要となるのが司法書士試験です。

 

実力と運が実るまで諦めないことが合格の秘訣となります。