おすすめの市販問題集
一通り、司法書士の勉強したら、市販の問題集も買った方がよいのかな?
市販の問題集は過去問知識の補充のために使いましょう。あくまでも勉強の中心は過去問です。
それを踏まえて、本記事では、司法書士試験対策のテキストとして、書店などで市販されている教材の中から、評価が高いものを特徴なども含めて紹介します。
比較的多くの受験生が使用していると思われる、過去問以外の問題集をご紹介します。
司法書士の問題集の利用方法
市販の問題集は過去問知識の補充のために使いましょう。あくまでも勉強の中心は過去問です。
司法書士試験では、基本的に問題演習は過去問をメインとすることをおすすめします。実際に本試験で出題された過去問以上の良問はないからです。
また、司法書士試験では、過去問が繰り返し出題される傾向が強いので、演習は基本的には過去問メインで行うが効率的です。
しかし、
- 過去問は答えを覚えてしまっていてあまり学習意欲がわかない
- 会社法や商業登記法などの改正点について出題されるとしたらどのような問題が出題されるのか
といった観点から、過去問以外の問題演習を意識する方もいると思います。
あくまでも司法書士試験対策の問題演習は過去問中心で行うべきであり、過去問の知識を補充するという位置づけであることを前提に、市販の問題集をされることを強くおすすめします。
以下では、「過去問ありき」で良質と思われる市販の問題集をご紹介させていただきます。
出るトコ一問一答+要点整理(早稲田経営出版)
重要な条文知識を問題形式でチェックできる問題集です
まず、市販の問題集として非常におすすめなのが、TAC(早稲田セミナー)の出るトコ一問一答という問題集です。
ご著者は、おすすめの市販本のテキストでもご紹介させていただいた山本浩司先生です。
司法書士試験で問われる「トコ」は、あくまでも条文・判例の正確な知識のみであることを前提とされ、条文・判例について、やや「いじわる」と感じる一問一答で問題を作られています。
本書をオートマ基本書やオートマプレミアムとセットで利用することで択一に関する知識は、これ以上は不要というレベルに達すると言って過言ではありません。
出るトコ一問一答の効果的な使い方
本書の利用方法としては、必ず六法を手元に置いて使用されることです。
1問1答で○×の正誤を判断されたら、条文・判例を必ず見て、出題される条文を意識・記憶するということをされなければ、本書の利用価値は半減します。
また、本書のメリットとして、特に会社法、商法、商業登記法については、試験で出そうでまだ出ていない条文知識も問題化してくれている点です。
会社法・商業登記法は改正が多いので、択一で出題されそうであるものの、まだ出題実績がないという分野が存在します。また、商法(商法総則・商行為の分野)は出そうでまだ出ていない分野があります。
こういった法改正分野の演習は、一般的には模擬試験で対策をすることになります。
しかし、「出るトコ」では、そういった改正分野の重要条文もちゃんと問題化してくれています。
出るトコシリーズは、オートマシリーズの一部として、過去問のサブ問題集として、非常におすすめの問題集です。
直前チェック(早稲田経営出版)
司法書士試験に必要な知識は「まとめきっている」問題集です
次におすすめなのが、直前チェックシリーズです。
司法書士 直前チェック 必修論点総まとめ
問題集とサブノートの中間的な構成の書籍です。
司法書士試験で出題される、合格に必要な知識を一問一答の形式でまとめています。
著者の竹下貴博講師は、司法書士試験短期合格方法のパイオニアと言われ、30年以上TACで指導をされています。
その竹下講師が、毎年、出題傾向を踏まえてわずかな改訂を加えたうえで、毎年多くの受験生に利用されているのが直前チェックシリーズです。
直前チェックの素晴らしい点は、毎年の改訂がほんのわずかしかないということです。
わずかな改訂しかしていないのに、毎年多くの受験生に利用されているということは、司法書士試験に必要な知識は基本的に網羅されていることのあらわれと言えます。非常に完成度が高い書籍です。
司法書士試験の受験会場で、直前チェックを最終の知識確認に利用している方も少なくありません。
直前チェックの効果的な使い方
直前チェックを問題集として利用される場合には、事前に過去問を一通り解かれてから利用されると効果的です。
直前チェックは、過去問を一通り解いたけれど、知識があまりまとまらない・知識の不足があるという場合に利用することで、知識がクリアーになるような構成になっています。
逆に、一問一答形式であるからといって、初めから丸暗記しようとすると、少し意味がわかりにくい記述にもなっています。
直前チェックは、問題集としてだけではなく、サブノートとして利用することも念頭に置かれています。
そのため、事前に勉強をされた上での知識整理ツールとしての面もありますから、すべての知識を最初から覚えるという方法は効果的ではありません。
過去問演習をしてから(あるいは過去問演習をしつつ)利用されることで学習効果が高まります。
記述・フレーム・コントロール(弘文堂)
書式(記述)の神様による徹底した分析と演習問題です
次に記述対策の問題集をご紹介させていただきます。
著者は、伊藤塾の蛭町浩講師です。
蛭町講師は、豊富な実務経験から司法書士試験の記述式試験を徹底的に分析されており、出題パターンを論理的に分析した「フレームコントロール」という解法技術を提唱されています。
「フレームコントロール」発想により問題を解くことで、司法書士試験の記述式の基準点は絶対に死守するという知識と思考が身に付きます。
掲載されている問題(事例)は極めて基本的なものですが、フレームコントロールの技術で解いていくことで、本試験でぶれないと答案を書くことにつながります。
記述は基礎力が定着していないと、どうしても、場当たり的な「賭け」的な要素が出てきます。
点数が取れるときは取れるけれども、取れないときはひどい点数になってしまうというのが記述式の怖いところです。
蛭町講師のフレームコントロールの解放をみにつけることによって基礎力が定着し、「場当たり答案」となってしまうリスクが激減します。
フレームコントロール利用の効率的な利用法
蛭町先生の記述式問題集の解法は司法書士試験の基準点クリアーのために非常に有益ではありますが、考え方が独特であるため、初学者向きではありません。
ある程度、法律の学習が進んだ上で利用されないと、問題演習以前に書いてあることが理解できないということにもなりえます。
フレームコントロールシリーズを利用されるにあたっては、まず択一の学習などを通して、基礎力がある程度着いてから利用することが効率的な利用法と言えます。
市販問題集利用時の注意点
あくまで中心は過去問ですよ!
以上、司法書士試験向けの過去問以外の問題集をご紹介させていただきましたが、過去問以外の問題集は、司法書士試験では「サブ」という位置づけにされることが大切です。
司法書士試験では過去問が中心です。まずは過去問をしっかりと学習し、その上で問題演習をしましょう。